学校長あいさつ

校長 倉田延邦

多文化共生社会の中でこそ培える「新しい学力」

 本校は、東京オリンピックが開催された昭和39年に富山女子短期大学付属高校として開校し、平成4年には男女共学の富山国際大学付属高校と校名変更して現在に至っています。また、本校は、富山国際大学、富山短期大学、みどり野幼稚園などが属する学校法人富山国際学園という総合学園の一員です。開校以来、校訓として、「志高く 知性を磨き 明るく 清く 健やかに」を掲げ、この校訓のもと、爽やかではつらつとした態度と、素直な心を持って世界の人々と接することができるグローバルリーダーの育成を目指しています。

 急速にその姿を変えている21世紀社会、ITやAIの進歩で、ボーダレス化、グローバル化が急速に進み、世界規模での人の往来が格段に増えています。これが21世紀です。同時に我々が直面する諸問題も、急速にグローバル化が進み、もはや日本だけで対処できる問題というものはなくなりつつあります。地球規模の問題に対処するためには、日頃からグローバルな視点で問題を発見し、解決策を考えるという姿勢が大切です。私たちは、世界市民として活躍できるような、21世紀に必要な「新しい学力」の涵養を目指し、様々なことに取り組んでいます。

 生徒に是非とも身につけて欲しい二つの力があります。それは、高度な「ITリテラシー」と、コミュニケーションと大学入試にも欠かせない「英語力」です。本校では、入学時に生徒全員がタブレットとキーボードを購入し、高速無線LANが完備した校舎内で、ことばを話すようにスムーズにITを活用できるよう指導しています。また、様々な大学が公開しているMOOCS(大規模オンライン公開講座)の受講を強く勧めています。生徒達も積極的に受講し、2019年度には、国外の大学の講座も含めて1600もの講座の修了が報告されています。

 また英語力についても、教室で学んだことを実社会で使える英語力に高めるために、出来るだけ英語を使う機会を増やそうと、学校の内外に多文化共生の環境を作り上げてきました。昨年度、全校生徒約840名のうち、留学生も含めて外国籍の生徒は17ヵ国、約40名、生徒本人は日本国籍で、両親の国籍が異なる生徒も30~40名ほどいます。また、長期の留学を勧め奨学金も出しています。アメリカを中心として毎年30名程度の生徒が1年間の留学に出かけます。加えて、本校は2012年にユネスコスクールに認定されたのを機に、SDGSの活動に取り組んでいます。グローバル化を進めている本校では、思い切ってアジア諸国のユネスコスクールに交流相手を求め、中国、香港、韓国、タイの2校と、合わせて5つの高校にユネスコネットワークを広げました。英語圏の5校を含め姉妹校は10校となり、英語研修に加え、ユネスコスクール間の交流等、様々な形の交流が可能になりました。授業で学んだ英語を、実際の交流活動を通して力へと高める環境ができつつあります。

 多文化共生社会の下で培ったITリテラシーと英語力をもとに、多岐にわたるグローバルな問題を世界の同世代の若者とともに解決へと導く力(他教科の知識を含む力)こそ、21世紀に求められる学力だと考えます。タブレットを使って、海外の生徒と気軽に討論している生徒の姿を見れば、もしも私が大学の入試担当責任者なら、テストで得た点数や偏差値の差にはこだわらず、真っ先にこうした力を身につけた生徒を選ぶでしょう。この力こそ本校が目指す「新しい学力」です。

富山国際大学付属高等学校
校長 倉田延邦