学校長あいさつ

校長 倉田延邦

多文化共生社会の中でこそ培える「新しい学力」

 本校は、東京オリンピックが開催された昭和39年に富山女子短期大学付属高校として開校し、平成4年には男女共学の富山国際大学付属高校と校名変更して現在に至っています。また、本校は、富山国際大学、富山短期大学、みどり野幼稚園などが属する学校法人富山国際学園という総合学園の一員です。開校以来、校訓として、「志高く 知性を磨き 明るく 清く 健やかに」を掲げ、この校訓のもと、素直な心を持って世界の人々と接することができる爽やかではつらつとしたグローバルリーダーの育成を目指しています。

 急速にその姿を変えている21世紀社会、ITやAIの進歩で、ボーダレス化、グローバル化が急速に進んでいます。豊富な情報によって未知の世界への恐怖心は薄らぎ、好奇心が掻き立てられることで、世界規模での人の往来が格段に増えています。これが21世紀です。我々が直面しているCovid19(コロナウィルス感染症)の問題は、急速にグローバル化、ボーダレス化が進んでいる世界では、もはや日本だけで対処できる問題というものはなくなったことを証明しています。地球規模の問題に対処するためには、日頃からグローバルな視点で自ら問題点を発見し、そして解決策を考えるという姿勢が大切です。この姿勢こそが、21世紀を生き抜かなければならない若者に求められる、新しい学力の根幹をなすものだと確信しています。本校は、小さな教室の中で学んだことを大きなグローバルな社会で役立てることができるように、トレーニングの場として学校内に「小規模な地球=小さな多文化共生社会」を創り上げるために様々なことに取り組んできました。積極的な外国籍生徒の受け入れ、長期間の留学の推奨、海外の姉妹校とのオンライン交流、海外の提携大学のオンライン講座の受講など、コロナ禍においても例年と変わらずダイバーシティな環境作りに取り組んできました。

 こうしたグローバルな教育環境の構成要素で、欠かすことができない力として高度なITリテラシーがあげられます。本校では、入学時に生徒全員がタブレットとキーボードを購入し、高速無線LANが完備した校舎内で、ことばを話すようにスムーズにITを活用しています。もはやITは特別なものではなく学習と切り離すことはできません。およそ2か月間の休校期間中(2020年4月、5月)もオンライン授業を実施し、生徒の学力維持に努めてまいりました。デジタルネイティブ世代と呼ばれる生徒たちは、オンライン授業を抵抗なく受け入れてくれました。加えて特徴的なことと言えば、様々な大学が公開しているMOOCS(大規模オンライン公開講座)を受講する生徒が急増し、2020年度には全校で4500もの公開講座の修了が報告されています。

 授業で学んだ「知識」を、グローバルな環境で交流活動を通して定着させ、そして「知恵」へと高めます。こうして養った力が、21世紀に求められる学力だと考えます。もしも私が大学の入試担当責任者なら、または企業の採用担当者なら、得点や偏差値の多少の高い低いにはこだわらず、真っ先にこうした力を身につけた生徒を選ぶでしょう。この力こそが本校の目指す「新しい学力」なのです。

富山国際大学付属高等学校
校長 倉田延邦